Rage Seasons of the Black

パソコンのネットワークドライバが壊れて更新できませんでした...orz

たまには音楽の話でもします。

今回紹介するのは、ジャーマンメタル界のベテラン、
Rageの新作"Seasons of the Black"です。

Rageは新作を出すペースが速いことでも知られるバンドで、
このアルバムを出した2017年の時点で結成31年。
発表したアルバムは23作となります。
それでもクオリティが低下しないところが
このバンドの恐ろしいところだったりします。

このアルバムはメンバー、それもRageが
結成20年越えて、一番の出来とも言われた、
Gt.のVictor、Dr.のAndreとの活動を終わりにして
出来たメンバーです。
この決断の驚くべき点は、音楽のルーツにおいて、
抜群の相性を見せ、かつ、テクニック的にも
歴代で最高であったVictorを切って、
あまり有名でなかったギタリストやドラマーを
メンバーにしたことにあります。

そのような経緯で、前作、新しく入った
Gt.のMarcos、Dr.のLuckyともに
輝きはあるが、ひねりが一つ足りないサウンドになっていました。
もっとも、それでもよく聞こえたのは、このバンドの長、
Peavyの絶妙な曲作りの賜物でしょう。

しかし、ライヴで経験を積んだトリオは、細かいアレンジもきっちりキメる
素晴らしいバンドに変貌を遂げました。
格段によくなったのはギターソロでしょう。
前作の速弾きをルート音に合わせて弾きましたといったサウンドから
もう一つのメロディラインを描く存在へと成りました。

変化は冒頭のSeasons of the Blackから。
モダンなギターリフを中心に構成された曲が一転、
ソロに近づくにつれ空気感が変わっていきます。
そして、その空気感を切り裂くように飛び込むギターソロ。
しかも泣きメロです。
これが様式美。練られた展開は一点の曇りも感じさせません。
この様式美の最高潮はThe Tragedy of Manでしょう。
4曲構成で、起承転結がはっきりした、
ドラマチックな曲群です。

Rageらしい、ポップよりも優れたメロディを奏でる
3曲目のBlackended Karma
4曲目のTime Will Tell
6曲目のWalk Among the Dead
7曲目のAll We Know Is Not
は聴いていて、背中が痺れてくるものがあります。

ベテランのバンドになると、今までの名作と
それを演奏するためのライヴを資金源として、
新作は生存確認のように惰性で作られていることも
多々あります。しかし、そのようなものを感じさせないのが、
このRageです。日本人向きの哀愁漂うメロディを持ちながら、
いまいち日本で超一流になりきれていないところに
もどかしさを感じます。

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